今回はの空港看護師(エアポートナース)役割・仕事内容、年収はどのくらいなのか?
求人はどうやって探せばいいのか?
空港看護師(エアポートナース)を目指している方のお役に立てる情報をご紹介いたします。
空港看護師(エアポートナース)の年収は空港クリニックで年収360〜500万円前後、検査官で年収365万円前後が相場となっています。
語学力や救急対応スキルがあれば、さらにアップすることも可能です。
空港看護師(エアポートナース)の求人は決して多くありません。ですので、常に募集が出ていないか、看護師転職サイト等をチェックするのが必要です。
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空港という特別な場所で働く「空港看護師(エアポートナース)」。
海外からの旅行者、国内の利用客、そして空港スタッフなど、実に多様な人たちを相手にする看護職です。華やかなイメージがある一方で、医療現場ならではの緊張感もあり、病棟やクリニック勤務とはまた違ったやりがいがあります。
この記事では、空港看護師になる方法や役割、そして多くの方が気になる年収のリアル、さらに求人情報まで詳しく解説していきます。
これから空港で働きたいと考えている看護師さんに向けて、現場で必要なスキルやキャリアパスもわかりやすくまとめました。
空港看護師(エアポートナース)とは?2つの働き方がある
空港で働く看護師のキャリアには、大きく分けて「空港クリニックで働く」か「検疫官(看護師)として働く」かの二つの道があります。
それぞれ仕事内容も待遇も大きく異なるため、どちらを目指すのかを理解しておくことが大切です。以下では、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
空港クリニックで働く看護師
空港クリニックは、旅行者や空港職員の健康を支える拠点です。
主な業務は、外来対応、救急処置、定期健診、予防接種など。外来患者の症状は多岐にわたり、フライトによる体調不良や時差ボケ、転倒による外傷、急な腹痛や不安発作など、空港ならではのケースも少なくありません。
例えば、成田国際空港や羽田空港には診療所が設置されており、医師と協力して救急要請に出動することもあります。
空港内で急変が起きた際は、診療所から現場へ駆けつけ、応急処置を行った上で近隣病院へ搬送することも。日常業務は外来主体で日勤が中心ですが、「いつでも急変が起こり得る」という緊張感が漂う職場です。
さらに、空港クリニックでは外国人患者の対応が日常的に発生します。問診や服薬歴の確認を英語で行ったり、海外旅行保険に関するやり取りをサポートする場面もあり、語学力は強い武器になります。
看護roo!|羽田空港国際線クリニック 看護師インタビュー
空港クリニック勤務の仕事内容
空港のクリニックや救護室で働く看護師は、日々どんな業務を行っているのでしょうか。
主な役割は、空港で体調を崩した人や怪我をした人の診療補助です。たとえば「フライト前に急な腹痛が起きた」「長時間のフライトでめまいがする」といった利用者が来院します。中には転倒による打撲や切り傷などもあり、救急処置の力が試される場面も少なくありません。
また、空港職員を対象にした定期健診やインフルエンザの予防接種も担当します。つまり、観光客と職員の両方を支える立場であり、外来・救急・健診を一度に経験できる点が特徴です。
さらに、空港という国際色豊かな環境ゆえに、英語や他言語でのコミュニケーションが必要になる場面もしばしば。診察内容を通訳したり、海外旅行保険の確認に同席することもあります。語学力を持っていると仕事の幅は一気に広がります。
検疫官(看護師)
もうひとつの道は、厚生労働省に所属する**検疫官(看護師)**です。
こちらは国家公務員として採用され、空港や港で渡航者の健康状態をチェックし、感染症の国内流入を防ぐことが使命です。
具体的な業務としては、入国者への健康質問・発熱者のスクリーニング・感染症の検査や隔離対応・航空機や港の衛生調査・黄熱などの予防接種などが挙げられます。新型コロナ流行時に注目されたように、国際的な感染症の水際対策を担う重要な役割を果たします。
勤務形態は週38時間45分の交替制で、24時間対応の空港では夜間勤務が発生する場合もあります。また、任期付採用や全国転勤の可能性がある点も特徴です。安定した公務員待遇で働ける一方、柔軟な生活対応力も求められる職場です。
参考:
厚生労働省|検疫官(看護師) 採用情報
厚生労働省|検疫官(看護師)の募集(任期付)
検疫官(看護師)の仕事内容
検疫官として働く場合は、仕事内容が大きく異なります。主な業務は、到着した航空機から降りてくる乗客の健康状態をチェックし、発熱や感染症の疑いがある人を選別することです。
新型コロナウイルス流行時には大きく注目されましたが、平常時でも検疫官の役割は重要です。黄熱やコレラなど国際的に管理が必要な感染症を防ぐため、検査や隔離の判断を行います。また、空港の衛生環境の調査や、動植物を媒介とする病原体の確認なども任務に含まれます。
検疫官は厚生労働省の職員=国家公務員であり、採用試験や面接を経て任命されます。一般の看護師と異なり、全国転勤や交替制勤務がある点は覚悟が必要ですが、その分「公務員として安定したキャリア」を築けるのが魅力です。
空港看護師(エアポートナース)として働くメリット・デメリット
空港という特殊なフィールドで働く看護師には、病棟や一般クリニックでは得られない魅力があります。その一方で、独自の制約や注意点もあるため、事前に理解しておくことが大切です。ここでは、空港看護師として働くメリットとデメリットを具体的に解説します。
空港看護師のメリット
1. グローバルな環境で語学力を活かせる
空港は世界中から人が集まる場所です。英語はもちろん、中国語や韓国語など多言語でのコミュニケーションの機会も豊富。「語学が得意」「異文化に触れたい」という看護師にとっては大きなやりがいになります。語学力をアピールできれば、採用や給与面で優遇される可能性もあります。
2. 多様な症例に出会える
空港クリニックでは、旅先特有の不調や外傷など、病棟ではあまり見られない症例が多く訪れます。例えば、長時間フライトによるエコノミークラス症候群、気圧変化による体調不良、ストレスによる過呼吸など。短時間でトリアージして対応するスキルが自然と身につき、臨床力を磨けます。
3. 日勤中心で生活リズムが整いやすい
病棟看護師のように夜勤が連続することは少なく、日勤主体のシフトが多いのが特徴です。生活リズムを整えたい、家庭や子育てと両立したいという人に向いています。
4. 公務員としての安定性(検疫官の場合)
検疫官を選べば国家公務員として働けるため、給与・福利厚生・退職金制度などが安定。キャリアを長期的に築いていけるのは大きな安心材料です。
空港看護師のデメリット
1. 高度な判断力と即応力が求められる
急変が発生した場合、限られた時間・限られた設備で初動対応を行わなければなりません。救急対応経験が少ない人にとっては大きなプレッシャーになることもあります。
2. 語学対応にストレスを感じる場合も
英語や他言語が苦手な場合、患者対応で不安や負担を感じやすくなります。通訳サービスが整備されている空港もありますが、現場では看護師自身が会話をリードする場面も少なくありません。
3. 病棟勤務より年収がやや低め
空港クリニックは夜勤が少ないため、病棟看護師と比べると年収は下がる傾向にあります。生活スタイルに合っていれば問題ありませんが、収入を重視する方にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
4. 検疫官は全国転勤の可能性あり
検疫官の場合は勤務地が全国にあり、異動の辞令が出る可能性もあります。ライフプランによっては柔軟な対応が必要です。
空港看護師は「経験を広げたい人」に最適
空港看護師は、病棟では出会えない症例やグローバルな環境を経験できる特別な職場です。キャリアの幅を広げたい、語学力を活かしたい、安定した公務員として働きたい――そんな方にとっては大きなチャンスとなるでしょう。
一方で、即応力や語学対応へのプレッシャー、年収面の違い、勤務形態の特徴(転勤や交替制)なども把握しておく必要があります。メリットとデメリットをしっかり天秤にかけて、自分のライフスタイルに合った選択をしていくのがポイントです。
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厚生労働省|検疫官(看護師) 採用情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/kouseiroudoushou/saiyou/keneki-kango.html -
厚生労働省|検疫官(任期付職員)募集要項
https://www.mhlw.go.jp/stf/kouseiroudoushou/saiyou/ninkituki/ninki-kenekikan.html -
成田国際空港 公式サイト|診療所案内
https://www.narita-airport.jp/ja/service/medical/clinic/ -
看護roo!|羽田空港国際線クリニック 看護師インタビュー
https://www.kango-roo.com/work/949/ -
マイナビ看護師|空港勤務ナースの働き方解説
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/workstyle/20240330-2170343/
空港看護師(エアポートナース)の年収はどのくらい?
空港看護師の年収は、働き方によって大きく変わります。ここでは「空港クリニックで働く場合」と「検疫官(看護師)として働く場合」に分けて、相場や特徴を整理していきましょう。
空港クリニック勤務の年収
空港クリニックで働く看護師の給与は、月給25〜35万円程度が目安です。一般のクリニックと同じく、賞与(ボーナス)の有無によって年収総額が変わります。賞与込みなら年収360〜500万円前後が相場となります。
例えば、成田国際空港クリニックでは**月給35万円(正職員)**という求人例が確認されており、クリニック勤務としては高めの水準です。
ただし、夜勤がほとんどないため、病棟勤務の看護師(全国平均約520万円とされる)と比較すると、やや年収が低めになるケースもあります。
また、パートや時短勤務の募集もあり、扶養範囲内で働きたい人や家庭と両立したい人に合った働き方も可能です。繁忙期(健診シーズンなど)にシフトを増やすことで、年収を調整することもできます。
検疫官(看護師)の年収
検疫官は国家公務員として採用されるため、給与は公務員の俸給表に基づきます。
基本給は**月額26万円前後〜で、さらに地域手当・住居手当・扶養手当・期末勤勉手当(ボーナス)**などが加わります。
東京都心部の空港勤務では地域手当が20%つくため、総支給額は大きく増加します。
初年度の想定年収は365万円前後からとされていますが、勤続年数や昇任によって安定的に上昇していきます。
勤務は週38時間45分の交替制で夜勤も含まれるため、勤務形態によっては手当がさらに加算されるケースもあります。長期的に見れば、公務員としての昇給・昇任制度があり、安定性の高さが大きな魅力です。
参考:
年収アップのカギ
空港看護師として収入を伸ばしたいなら、語学力と救急対応スキルが武器になります。
語学力
外国人患者の問診や、海外保険の書類確認で英語・中国語・韓国語などができると採用時に優遇されるほか、時給や基本給に反映されるケースもあります。
救急対応スキル
BLSやICLSといった救急蘇生コース修了は、空港のように急変リスクが高い環境で大きな強みです。実際の求人でも「救急経験者歓迎」と記載されることが多く、給与面でも評価されやすくなります。
空港看護師になるためのステップ
では、実際に空港看護師を目指すにはどうすればよいのでしょうか。流れを整理してみましょう。
まずは看護師免許の取得が必須です。その後、急性期病院や外来で数年の経験を積むのが王道ルート。採血や点滴、救急初療に自信をつけておくと空港で即戦力になれます。
空港クリニックを志望する場合は、求人サイトや各クリニックの公式ページを定期的にチェックしましょう。英語力や外来経験をアピールすると有利です。
検疫官を目指す場合は、厚生労働省の採用試験に応募することになります。応募には臨床経験3年以上、普通自動車免許、日本国籍が必要です。採用後は全国転勤の可能性もあるため、ライフプランを考えながら応募するとよいでしょう。
どんな人に向いている?
空港看護師に向いているのは、多様な文化や人に触れるのが好きな人です。短時間で状況を把握し、的確に対応できる判断力が求められるので、救急や外来で鍛えたスキルを活かせるでしょう。
逆に、患者さんと長期的に関わって看護したい人や、転勤のない安定した環境だけを望む人にはやや不向きかもしれません。ただし、公務員としての安定性を重視するなら検疫官は選択肢になります。
求人情報の探し方とチェックポイント
実際に求人を探すときは、「空港名+看護師+クリニック」などで検索すると見つかりやすいです。例えば成田や羽田には空港直結のクリニックがあり、求人ページで看護師を募集していることがあります。
求人を見る際には、以下の点を必ず確認しておきましょう。
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夜勤やオンコールの有無
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英語対応がどの程度求められるか
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健診業務の割合(採血・心電図の件数)
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賞与や手当の内容
検疫官を希望する場合は、厚生労働省の採用ページが公式の窓口です。定期的に募集が行われているので、希望する空港の募集が出ていないかチェックするとよいでしょう。
よくあるQ&A
Q. 英語は必須ですか?
必須ではありませんが、英語で簡単な問診ができると採用に有利です。
Q. 夜勤はありますか?
空港クリニックは日勤のみが多いですが、空港によっては夜間対応もあります。検疫官は交替制勤務です。
Q. 未経験でも応募できますか?
クリニックは未経験可の募集もありますが、外来経験があると強みになります。検疫官は臨床経験3年以上が必須です。
Q. どんな症例が多いですか?
転倒による外傷、消化器症状、めまい、精神的な不安発作などが多く見られます。
Q. 年収はどのくらいですか?
空港クリニックは年収360〜500万円程度、検疫官は365万円以上が目安です。
まとめ:空港看護師は“特別な現場”で市場価値を高められる仕事
空港看護師は、病棟や一般クリニックでは得られない経験を積める特別なポジションです。急変対応力や語学力が磨かれるため、キャリアの幅を広げたい看護師にとって大きなチャンスとなります。
年収は病棟勤務よりやや低めのケースが多いですが、日勤中心の働きやすさ、公務員としての安定性(検疫官)、そしてグローバルな経験が得られる点は大きな魅力です。
もし「空港看護師になりたい」と思ったら、まずは自分がクリニック勤務を望むのか、公務員の検疫官を目指すのかを明確にしましょう。その上で必要なスキルを磨き、求人をタイミングよく狙うのが成功の近道です。
参考リンク・補足情報
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成田国際空港クリニック|公式サイト
https://support.naritakokusaikukoclinic.com/ 成田国際空港クリニック -
成田国際空港クリニック|採用情報(看護師)
https://support.naritakokusaikukoclinic.com/recruit/ 成田国際空港クリニック -
成田空港 公式|診療所案内(成田国際空港クリニックの掲載あり)
https://www.narita-airport.jp/ja/service/medical/clinic/ 成田空港 -
厚生労働省|検疫官(看護師)採用情報(総合ページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/kouseiroudoushou/saiyou/keneki-kango.html 厚生労働省 -
厚生労働省|検疫官(看護師)の募集について(任期付職員)
https://www.mhlw.go.jp/stf/kouseiroudoushou/saiyou/ninkituki/ninki-kenekikan.html 厚生労働省 -
厚生労働省|令和6年 賃金構造基本統計調査(看護師の賃金統計の一次情報)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html 厚生労働省 -
日本救急医学会|ICLS(公式)
https://www.icls-web.com/ icls-web.com -
AHA(米国心臓協会)|BLSコース案内
https://cpr.heart.org/en/cpr-courses-and-kits/healthcare-professional/basic-life-support-bls-training
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